わんこの歯のお話

愛犬の歯石を溜めない為の効果的なケア

2013.10.22  |  健康

わんちゃんは、人間とくらべて、あまり虫歯にはなりません。
でも人間よりはるかに、「歯周病」になりやすいのが特徴です。

※現在、3歳以上のわんちゃんの約8割が歯周病だといわれています。

歯周病は、歯と歯ぐきのあいだに歯石がたまることによって発症します。
歯石は一回できてしまうと、ご自宅で取ることはなかなかできません。

そこで歯周病を予防するには、
「歯石をためないようにする」ことが大きなポイントとなってきます。
そのためには、ご自宅での効果的なケアが必要です。

 

■歯ブラシがおすすめできない理由

わんちゃんの歯をケアするとなると、
人間と同じように「歯ブラシ」でやればいいと思うかもしれません。
ただ実は、歯ブラシはあまりおすすめできません。

①わんちゃんが歯のケアを嫌いになってしまうことがある
歯ブラシを口のなかに入れようとすると、わんちゃんが嫌がることが少なくありません。
それを無理やりやってしまうと、わんちゃんが歯のケアそのものを嫌いになり、逆効果になってしまいます。

②力を入れすぎて歯ぐきを傷めることがある
歯ブラシを使うと、こびりついた歯石を取ろうと、ゴシゴシとこすってしまう飼い主さんが少なくありません。

でもわんちゃんの体重は、多くが人間の10分の1以下です。
人間と同じような強さで歯磨きしてしまっては、歯ぐきに負担がかかります。

歯磨きの負担でわんちゃんの歯ぐきを傷め、歯ぐきが炎症を起こしてしまうこともあります。

 

■当院がおすすめしているデンタルケアの方法

わんちゃんのデンタルケアをするのにおすすめなのは、歯ブラシでなく、
「水で濡らしたガーゼ」を使うことです。
これを指に巻き付け、わんちゃんの歯の表面をやさしく拭いてあげます。

また、「歯ぐきのマッサージ」もおすすめです。
わんちゃんが朝、起きたあと、歯と歯ぐきの境目を、指でやさしくマッサージしてあげます。
お口のなかの健康のためには、唾液はネバネバしているより、サラサラしていたほうが好ましいです。
マッサージにより、歯ぐきの血行がよくなり、サラサラの唾液が出るようになります。

わんちゃんによっては、お口に指を入れられるのを嫌がるかもしれません。
その場合には、お口の外側から、歯ぐきのあたりをやさしくマッサージするだけでも効果があります。

 

■これからケアをスタートするなら、まずは「歯茎の外側からのマッサージ」がおすすめ

ご自宅でのわんちゃんのデンタルケアを、「これから始めよう」という方もいらっしゃるかと思います。 その場合、この「お口の外側からの歯茎マッサージ」からスタートするのがおすすめです。

わんちゃんは、これを嫌がることは、ほぼありません。
ほとんどのわんちゃんが、気持よさそうにマッサージさせてくれます。

ご家庭でのデンタルケアにおいて、一番大切なことは
「毎日継続すること」に尽きます。

一朝一夕に、目に見えた結果はわからなくても
地道に続けていただくことが重要なので
飼い主さんとわんちゃん、それぞれに負担のかからないかたちで
まずはスタートしてみてください。

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