高齢になると犬の歯は抜ける?
2013.11.24 | 健康
高齢になったワンちゃんの、歯が抜けてしまうことがあると思います。
「もう年だから仕方ない・・・」 そのようにお考えになる方もいるのではないでしょうか。
しかし高齢になったワンちゃんの歯が抜けるのは、単に「加齢」が原因ではありません。
ワンちゃんの口の中で、重度の「歯周病」が進行し、それが原因になった可能性が高いです。
歯周病は、内臓疾患を引きおこすなどして、ワンちゃんの寿命を縮めることにもつながります。
毎日のデンタルケアをきちんと行い、歯周病を予防するのは、
ワンちゃんの健康と長生きのためにはとても大切です。
■歯が抜けるのは、加齢ではなく歯周病が原因
加齢のみが原因で、ワンちゃんの歯が抜けることはありません。
高齢になっても、すべての歯がきれいに揃っているワンちゃんはいます。
犬の歯が抜け落ちてしまうのは、年齢とは関係なく、ほとんどの場合、
歯周病が原因です。 歯周病は、犬の歯ぐきが炎症をおこす病気です。
歯周病になると、細菌による炎症により、まず歯ぐきの肉が、
つづいて歯ぐきの骨が、破壊されます。
歯ぐきの骨が破壊されると、ワンちゃんの歯は抜け落ちてしまうことになります。
歯周病を放置すると、歯ぐきの炎症は広がっていきます。
そうなると、さらにほかの歯も、抜けていくことになってしまいます。
歯周病になると口の中が痛むので、ワンちゃんは食事をあまり食べられなくなりがちです。
そうなると、ワンちゃんの体重が減り、体力が低下することになります。
また食事をあまり食べないと、栄養も不足します。
そのため免疫力が低下して、病気にかかりやすくなることがあります。
■ワンちゃんの寿命をのばすためにもデンタルケアは必要
さらに歯周病は、ワンちゃんの寿命を短くしてしまう場合があります。
歯周病により、内臓疾患がおこることがあるからです。
歯周病の細菌が、歯ぐきにできたキズから血管に侵入することがあります。
細菌は血管に侵入すると、血液の流れに乗って、全身にまわります。
全身にまわった細菌は、様々な内臓に到達し、そこで炎症をおこします。
それにより、心臓や肺、腎臓や肝臓などが、疾患をおこすことがあります。
内臓の疾患は、ワンちゃんの命を直接うばい取ることになりかねません。
ワンちゃんの内臓疾患の一つの原因が、歯周病だといわれています。
「たかが歯」と言われることもあり、歯の病気は軽く見られることも少なくありません。
しかし歯の健康をたもつことは、ワンちゃんの健康そのものをたもち、
長く生きることにつながります。
歯の健康をたもつためには、デンタルケアが必要です。
専門医の協力も必要ですが、ご自宅での毎日のケアが、何よりも大切です。