わんこの歯のお話

ワンちゃんの健やかな毎日のために

2021.2.27  |  わんこの歯のお話 健康 生活

■記念すべき第一回目のコラム執筆にあたって

今回から,新たにコラムを執筆させていただくにあたり,「わんこの歯医者さん」の原点に戻ってみました。

「わんこの歯医者さん」の原点は,表題の通り,「ワンちゃんの健やかな毎日のために」です。

その活動の一部分ではありますが,「わんこの歯医者さん」では,ワンちゃんの口腔内衛生にフォーカスを当てた診療サポートを行っています。

ワンちゃんについても,私たち人間と同じように,口腔内衛生の維持のためには,毎日のケアが不可欠です。
それは,人間で言えば,適切なブラッシングによる歯磨きです。
ワンちゃんで言えば,歯周病対策が口腔内衛生維持のポイントになります。

まず第一に、考えることは,人間でもそうであるように,日常のケアにより歯医者での治療を受けなくてもいいようにすることですね。

また,歯医者さんで治療を受けたら,その後は,毎日のケアを行い,その状態を1日でも長くキープするように対処することです。

ただ,すでに口腔内衛生の問題がある場合には,治療しなければなりません。

ワンちゃんは,歯周病が問題になるのですが,その歯周病の発生には,歯石が大きく関与していることから,歯周病予防に加えて,歯石除去が必要になるケースが多いです。

■歯石除去は,「麻酔下」?それとも「無麻酔」?

歯石除去の施術では,大きく「麻酔下」での施術と「無麻酔」での施術に大別されます。
それぞれについて,メリットとデメリットがありますので,それを踏まえて,どちらを選択するのかを決定することが重要です。

メリット デメリット
麻酔下 ・1回の施術で,すみずみまで歯石除去が可能

・歯石除去以外の抜歯も可能
・無意識下での施術なので,心理的なストレスなし

・麻酔のための検査が必要(検査結果によっては麻酔不可の場合もあり)
・まれに麻酔の事故がある
・相対的に施術費用が高い
無麻酔 ・疾病などの理由により麻酔不可の場合でも施術可能

・麻酔に伴う各種検査の実施不要
・費用は比較的安価

・心理的なストレス(トラウマ)を抱えてしまい,自宅でのケアに影響を与える場合がある。
・暴れるワンちゃんでは,施術できない

■無麻酔での処置に向いているワンちゃんは?

上述のPros(利点)とCons(欠点)を踏まえると,無麻酔での処置に向いているワンちゃんは,

・既往歴も含めて,仮に暴れた場合でも,怪我や持病の悪化につながらないワンちゃん(施術中に暴れるかどうかはやってみないとわからない)。
・歯石の量が,それほど多くなく,短時間でも気になる歯石が取れるレベルのワンちゃん
・比較的,口腔内を触られても気にならず,極端に嫌がらないワンちゃん

…となりますでしょうか?

ただ,この判断ついては,なかなか,飼い主さん自身でもわからないかも?
その場合には,一度,「わんこの歯医者」にご相談してもらえるといいかも知れません。

■原点に戻ると,やはり,日常のケアが大切でしょう
さて,今回のコラムでは,歯石除去について,「麻酔下」 vs 「無麻酔」のお話をしてきました。
いずれの施術の場合でも,ワンちゃんへの負荷があります。

そもそも,歯石や歯周病の発生を抑えれば,歯石除去の施術も不要なるわけですから,結論としては,歯石や歯周病の予防のためのご自宅でのケアが重要ということになります。

さて,わんこの歯医者では,ご自宅でのケアのアドバイスや必要に応じてサプリメントもご案内しております。
ワンちゃんの口腔内衛生で気になることがあれば,気軽にご相談ください。

【文責:わんこの歯医者 獣医師】

このページの先頭へ