犬も虫歯になるの?
2013.10.8 | 健康
人間は、毎日歯磨きをしないと虫歯になります。
それでは犬はどうなのだろう?と思いますよね。
犬も歯磨きをしないと、虫歯になるのでしょうか?
実は犬は、人間とは口の中の環境が異なるため、虫歯にはなりにくいのです。
でも一方、犬は歯石がたまりやすく、歯周病になりやすいんですね。
■犬は虫歯になりにくい
犬が虫歯になりにくいのは、理由は大きく3つあります。
①唾液が弱アルカリ性である
人間の唾液はph値が6.5~7.0の弱酸性です。
虫歯の原因となる虫歯菌は、弱酸性の環境を好むため、人間の口の中は虫歯菌が繁殖しやすくなっています。
それに対し、犬の唾液はph値が8.0の弱アルカリ性です。
弱アルカリ性の環境では、虫歯菌はあまり繁殖できません。
②犬の口の中には糖分が少ない
虫歯菌は、糖分を栄養源として繁殖します。
人間の唾液には「アミラーゼ」という酵素があり、この酵素が食べ物の炭水化物を分解し、口の中で糖分を作ります。
ところが犬の唾液にはアミラーゼがありません。
そのため犬の口の中には、糖分があまりないのです。
③犬の歯が尖っている
人間の奥歯は臼のような形をしています。
臼のくぼみには食べ物のカスがたまりやすく、これが虫歯菌の栄養となります。
それに対して犬の歯は、すべて尖った形です。
食べ物のカスがたまりにくいので、虫歯菌も繁殖しにくくなっています。
以上の理由で、一般的に犬は虫歯になることはあまりありませんが
稀に虫歯の症例がみられる場合もありますので、気になる飼い主様は
かかりつけの病院の先生に相談してみてください。
■犬は歯周病になりやすいのでケアが必要
犬は、虫歯になることは少ない一方で人間と比べて歯周病になりやすいのが特徴です。
ですから歯周病を予防するのは、犬にとっては重要です。
犬が歯周病になりやすいのは、唾液が弱アルカリ性であるために、歯石がたまりやすいからです。
食後24時間以内に歯に歯垢がたまり始め、それが3~5日で歯石に変化してしまいます。
唾液が弱酸性である人間の場合には、歯垢が歯石になるまでには1ヶ月近くかかると言われています。
犬はそれほど、歯石がたまるのが早いのです。
歯石がたまると、歯と歯ぐきのあいだに隙間ができてしまいます。
するとそこが病原菌の温床となり、歯ぐきの炎症を引き起こして歯周病となるわけです。
歯石は非常に硬いので、歯ブラシで取り除くことはできません。
ですから歯石がたまってしまったら、病院で除去するしかありません。
またまだ歯石がついていなかったり、歯石除去をしたばかりのわんちゃんでも、ご自宅でのケアは必要です。
水で濡らしたガーゼを指に巻き付け、やさしく歯を拭いてあげるのがオススメです。
愛犬の歯の状態やご自宅でのケアの方法についてお困りの飼い主様は
お気軽に当院までお問い合わせください。
専門の獣医師、スタッフがアドバイスさせていただきます。